2020/10/16
フィジーでの高校ラグビー留学の魅力(前編)
近年、ラグビー留学で有名なのは、オーストラリアやニュージーランドです。
しかし、フィジーにもラグビーをプレーすることのできる質の高い環境が整っています。今後、そんなフィジーの現地の高校に通いながらラグビーをプレーする留学生が増えると予想されます。
今回の記事は、現在フィジーで高校留学をしながら実際にラグビーをプレーしているKensakuくんへのインタビューをもとにフィジーの高校ラグビー事情をはじめ、ラグビーの環境や費用などフィジーでラグビーをプレーしたい人向けの情報を紹介します。海外でラグビーをプレーしたい方は参考にしてみてください。
Kensaku君
高校一年生からバ・プロヴィンシャル高校に通い、今年卒業予定。卒業後は海外の大学に進学を希望している。ラグビーに関しては小さい頃から日本でプレーし、高校からフィジーで高校留学をしながらラグビーを続けている。全国大会出場や地区代表に選出されるなどフィジーでラグビーをプレーする日本人のパイオニアとして活躍中。
目次
フィジー高校生活の中のラグビー
日本とフィジーの高校の部活動のあり方には大きな違いがあります。日本の高校の部活動と比較しながら、フィジーの特殊なラグビー事情について紹介します。
特殊なラグビー事情
日本では基本的に高校三年間同じチーム(ラグビー部)に所属し、顧問やコーチの指導のもとラグビーの活動を行います。それに対し、フィジーの高校では三年間決まったメンバーで継続して活動することはなく、毎年チームのメンバーは変化していきます。フィジーは他国と比べて特殊であり、シーズン前につくられた各学校の急造チームにラグビーをプレーしたい人が自主参加する形になっています。シーズンはそのチームで集まった仲間と一緒にプレーをし、オフシーズンになるとチームは解散します。
毎年シーズン前に形成される高校のラグビー部の活動のほか、地区代表に選ばれた選手は自分の所属する地区を代表して地区代表大会に出場します。
部活動に所属する必要もないフィジーの環境
フィジーの高校に通いながらラグビーをするには、高校の部活動に所属することだけが選択肢ではありません。フィジーは、広場や公園においてラグビーをしている人が多くいます。誰であっても自由に参加できるものであり、現地の人と一緒に楽しくラグビーを行うことができます。
運動靴と運動着さえあれば、簡単にラグビーをプレーできる環境がフィジーにあります!
フィジーにおける高校ラグビーの特徴
フィジーの高校でのラグビーの特徴は以下の4つです。日本の高校ラグビーの特徴と類似点もあれば、相違点もあります。
フィジーラグビー=フィジアンマジック
フィジーラグビーのプレースタイルは一般的に「フィジアン・マジック」と呼ばれています。試合中に自由奔放にパスをつなぎながらグランド中を走り回るラグビーを展開するのが特徴的です。見ている人をワクワクさせる見ていて楽しいラグビースタイルです。
Youtubeより World Rugby Fijian MAGIC early on Day 2 in Dubai!
フィジアンマジックと呼ばれるフィジーラグビー
ONとOFFの切り替え
日本の高校の部活では2〜3時間厳しいトレーニングを積み重ねるのに対し、フィジーでは1時間半〜2時間で練習が終了します。練習の終わり方が悪くても時間が延長されることはなく、きっちり最大2時間で練習は終了します。始まる前にリラックスしている選手も練習が始まると目の色を変え、限られた時間で全力を尽くします。フィジーの選手は、ONとOFFの切り替えが上手であり、メリハリのある練習を行なっています。
型にはまらないラグビー
日本では、試合中の一つ一つのシーンに対して事細かくコーチから指示が出るのに対し、フィジーでは自由にプレーすることが求められ、ミスをしてもコーチから怒られることは多くありません。フィジー人は、毎回決まったプレーをするのではなく、状況判断しながら最適なプレーを選択をすることから「型にはまらないラグビー」を展開しています。
セブンズラグビーの人気ぶり
日本ではラグビーといえば「十五人制ラグビー」が一般的ですが、フィジーでは、十五人制ラグビーに比べて七人制ラグビー(セブンズ)が人気です。七人制ラグビーで代表になれななかった選手が十五人制ラグビーの代表を目指すと言われているほど七人制ラグビーの代表になることはフィジーでラグビーをプレーしている人にとって大きな夢です。
フィジーのラグビー環境(グラウンド)
フィジーのほとんどの公園や広場にはラグビーポストが置いてあり、街中にラグビーをプレーすることのできるグラウンドがあります。
グラウンド環境
高校の部活動が放課後に練習を行う場所は基本的に芝のグラウンドです。ごくたまにしか刈られないほとんど手入れのされていない天然の芝です。
日本では、人工芝や硬土でラグビーの練習や試合を行なっていますが、フィジーには人工芝や硬土のグラウンドはほとんどありません。日本の人工芝や硬土のグラウンドで長年ラグビーをしてきた人にとっては少し戸惑うかもしれません。
大会の会場
基本的にはほとんどの手入れのされていない天然の芝で練習や試合が行われますが、いくつかの大会ではプロの選手が普段使用しているANZスタジアムでプレーする機会があります。このスタジアムは丁寧に整備と管理がされており、日本にある数少ない芝のグラウンドとほとんど変わりません。
ANZ スタジアム
著作権者:Stemoc
ライセンス: Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported
フィジーでかかるラグビー費用
フィジーでラグビーをするにあたってどのくらいの費用がかかるのか紹介します。
コーチへの月謝
フィジーではラグビーを指導してくれるコーチに対してお金を支払うことはありません。基本的にコーチに対しては地区ごとにある協会や学校がお金を支払い、選手側がラグビーをするにあたって支払う費用を軽減してくれています。
ラグビーするにあたって必要なものにかかる費用
フィジーではラグビーするにあたって必要なスパイク、ヘッドギア、運動着合わせて一万円以内で購入することができます。日本で使っていたものをフィジーで使用することもできますが、グランドのほとんどが芝であるため、人工芝用及び硬土用のスパイクを使用することができないので注意が必要です。
遠征費用
試合を行うための遠征費用も基本的に学校や協会が出してくれます。日本では遠征に行く際にバス代、遠征先のご飯代、宿泊代の全てを自分で支払う必要がありますが、フィジーでは一切ありません。
フィジーでは基本的に費用なし(お金がかかるのは用具のみ)で参加することができます。大会に出場するにあたってID登録と出生証明書が必要ですが、お金がかかることはありません。お金を支払わないどころか地区代表として地区大会に出場した際は日本円で500円〜1000円の賞金をもらうことができます。
まとめ
フィジーでラグビーをプレーすることはハードルが低いと言えます。費用もそんなにかからず、自分の意思でラグビーの練習に参加することができます。新しい環境でラグビーをしたい、高校留学しながらラグビーをしたい方にとってフィジーはオススメの場所です。
フィジーでの高校ラグビー留学の魅力(後編)では、実際にフィジーでどのような練習や大会が行われているのか、またコロナウイルスを受けてのフィジーラグビーの現状について紹介したいと思います。
フィジー高校留学生kensaku君へのインタビュー(9/3)をもとに作成
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