2012/09/07
Abaca Village !!
Bula
8/17(金)で2学期が終了しました。
翌週から始まる2週間の学期間休みの期間中に、School Tripを企画
今回は、自然体験とフィジーの伝統文化を学ぶという目的で、
Abaca Village(アンバザ村)を訪問しました。
Abaca Villageは、本校の位置するLautoka市から、南東へ車で約40分ほどの
Koroyanitu National Heritage Park(コロヤニツ国立遺産公園)に位置します。
Koroyanitu National Heritage Parkは、フィジー3番目の高峰Koroyanitu山(1,195m)を
有し、年間平均2,000~2,500mの降水がある熱帯雨林が広がっています。
そしてAbaca Villageは、フィジーにおけるEco Tourism発祥の地です。
Eco Tourism(エコツーリズム)とは、従来のツーリズム(旅行/観光)が、その土地の
自然や文化を破壊してきた反省に立ち、より持続可能にその土地の自然や文化を
保全しながら行うツーリズムです。
Abaca Villageは、フィジー政府とニュージーランドや日本の政府・民間機関が
協力しあって、Eco Tourismの拠点として整備されました。
さあ、出発日
Abaca Village指定のタクシーが、バプロまでやって来ました。
到着してびっくり
ピックアップトラックの荷台にベンチを置いたタイプのタクシーでした
みんな初めての体験にテンションが上がっています。
いざ出発~
Abaca Villageは、かなり交通が不便な場所です。
川を渡り
山道をひたすら走ります。
ガタガタ道ですが、みんな楽しそう。
無事Abaca Villageに到着。
Abaca Villageは、全村人を合わせても100名弱という小さな村。
村全体でEco Tourism Programmeを運営しています。
出会う村人全員からあたたかい歓迎を受けました。
Abaca Villageはフィジーの伝統文化が残っているため、
村に入る際、男性はスル、女性はひざ下のスカートと決まっています。
男子学生は皆制服のスルを着用していました。
村人との挨拶を終え、早速、Trekkingのための服装に着替えます。
そして、Abaca Villageの村の人たちによるガイドの先導の元、
いざTrekkingに出発。
Abaca VillageでのEco Tourismの基本に、まずこのガイドがあります。
誰もが勝手に山に入れるようだと、大人数が一気に押し寄せて、
自然に大きなダメージを与えてしまいかねません。
Abacaでは、ガイドをつけないと山に入れない仕組みになっています。
そして、ガイドから地域の自然や文化について学べるようになっています。
Koroyanitu山地ならではの、熱帯雨林を歩いていきます。
これは、フィジー語で、なんとBaka(バカ)と言う木です。
英語ではBanyan(バニヤン)と言います。とっっても大きい
もののけ姫の世界のよう。
ピンク色のバナナがありました。食べられないそうです。
1時間ほど歩き、最初の滝に到着~
こちらの滝は、通常のツアーでは案内していない場所で、Abacaのガイドブックにも載っていません。
特別に連れてきていただきました。
滝のふもとは、涼しいさわやかな空気に満ちていました。
ここで、村の人たちがつくってくれたLunch Boxを皆で食べました。
滝の水に濡れた学生もいましたが、それでもみんな元気です。
次の滝目指してTrekking再開。
Trekking Routeからは、遠くの島まで見渡せました。
二つ目の滝到着~
こちらの滝は、SAVUIONE Fallsという、ガイドブックにも載っている大きな滝です。
この滝のもとで、またのんびりして、それから帰ってきました。
休憩時間なども入れて、全部で4時間ほどのTrekkingでした。
久々の運動ですっきり。
村に戻り、今晩宿泊する場所に荷物を移動しました。
自炊設備の供えられたCottageがあります。
今回、私たちはHome Stayを申し込んでいました。
しかし、村の人に病気の人が出て看病の人も出ているということで、家が足りなくなり、
急きょ男子は村のCommunity Hall(集会場)で宿泊することになりました。
Abaca Villageには、ホテルのような、大量に宿泊できる施設が村の中に無く、近くにもありません。
これらのことにより、Eco Tourismとして大切な総量規制(全体の人数を一定以下に抑えること)が
できており、地域の自然にとって無理が無い範囲内でのツーリズムを実現しています。
村の子供たちとラグビーをしたり、着替えてシャワーを浴び、Afternoon Teaを頂いているうちに、
日没となりました。
Abaca Villageには、電気が通っていません。
そのため、日が暮れると真っ暗になります。
部屋の中は、ランプで照らします。もちろん、テレビなどはありません。
毎日夜7時に、村の中央にある教会でService(礼拝)が行われ、村人も旅行者も全員集まります。
教会は、一つのランプの明かりだけで照らされ、古いヨーロッパの絵画のような雰囲気でした。
この時は、日中はいたずらばかりの子供たちも、落ち着いた様子でお祈りをしています。
村人全員が毎日、こうして気持ちを一つにお祈りをしているのだなと感じました。
礼拝の後、皆で集会場に集まり、夕食を頂きました。
Abaca Villageは、ほぼ自給自足の村です。
夕食は、村の周辺で採れた新鮮な野菜や魚が主体の食事でした。
この日は出ませんでしたが、Wild Pig(野生の豚)を食べることもあるそうです。
食事の後、Sevusevu(セブセブ)の儀式を行いました。
この儀式は、本来は村に入るときに行うもので、これを行うことで
村人の一員として認められ、入村の許可と村人からの歓迎が表されます。
Abaca Villageでは、夜のタイミングで良いことにしてくれています。
Sevusevuの儀式では、カバ(Kava、フィジー語でヤンゴ-ナ(Yaqona))を飲みます。
カバとは、南太平洋一帯に生える胡椒科の木であり、この根を乾燥させて砕いたものを布でこし、
Tanoa(タノア)と呼ぶ大きな木の鉢で水と混ぜたものを、ココナッツの殻のカップで飲みます。
見た目は泥水のような色をしています。
カバの飲み方には作法があります。
カバが出来あがると、地位が上の人から順に渡されていきます。ココナッツの殻につがれたカバが
目の前に差し出されたら、まず1回手をたたいて右手で受け取ります。するとカバを持ってきた人が
1回手をたたくので、手をたたき終えるのを見届けてから“Bula”と言って一気に飲み干します。
飲み終わったら、ココナッツの殻を返し、3回手をたたいて、“Vinaka”と礼を述べます。
このパターンがひとりひとりになされ、しかも2度、3度とまわることがあり、儀式は延々夜遅くまで続きます。
最後までいる必要はありませんが、儀式に参加したら全員が最低1回は杯をあけるまではいることが、
最低限の礼儀とされています。
カバは、フィジーではこのSevusevuの儀式だけではなく、ちょっとしたもてなしまで様々な儀式で
飲まれていますが、短期留学のOpen Campus生たちの中には、初めてのカバ体験となった学生も多かったようです。
みんなおっかなびっくりカバを飲んでいます。
訪問者や村人が同じカップでカバを順番に飲んでいきます。飲み終わったら、訪問者はもう村人の仲間入りです。
一度、村の一員となったらそれは一生消えることはありません。こうして、フィジーの人々は訪問者たちとのつながりを作ります。カバの儀式は、コミュニティーを大切にし、「輪・和」を求めるフィジーの人々にとって、文化的に欠かせないものです。
こうしてAbaca Villageでの夜は更けていきました。
写真が無くて残念ですが、この日の星空の美しさといったら
周辺を山に囲まれ、村に電気が通っていないAbaca Villageからは、
Milky Way(天の川)がはっきり見えました。
朝。
Abaca Villageは、たくさんいる鶏の鳴き声で目が覚めます。
朝食を頂いたあと、この日はFijian Handicraft(手工芸品)の作り方を教わりました
これも、普段Abaca Villageでは行ってない、特別に用意して頂いたプログラムです。
村の中に生えるココナッツの葉で、Fan(うちわ)を作りました。
村の女性の人たち総出で教えてくれました。
村の子供たちが、フィジーの伝統的なダンスを披露してくれました。
かわいい~
最後に、村の教会の前で、村の人たちと記念撮影をしました。
Moce~
名残惜しく村の人たちにお別れをし、来た時と同じタクシーでバプロまで戻りました。
Abaca Villageは、物質的には究極にシンプルな生活をしていました。
食べものはほぼ自給自足。電気が通ってなく、テレビも洗濯機も冷蔵庫もありません。
しかし、村の生活は、平和で、自然と共にあり、豊かな仲間意識と誇りに満ちていました。
Abacaの人たちは、皆で力を合わせて働き、皆で物を分かち合い、皆で子供を育て、皆で祈り、歌い、
子供たちは皆で遊び、大人は皆でおしゃべりをして、村の生活を楽しんでいました。
私は、この村の生活が、フィジーの人たちの精神的なルーツとなる世界だなと感じました。
フィジーの文化の一つであるケレケレも、この村の生活を土台に考えると理解できます。
日本とは全く異なる生活に触れ、学生達は何を感じたでしょうか。
まだうまく言葉にはできなくても良いので、その感じた何かを大切に、
大人になっても持ち続けてほしいと思います。
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